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    2016年12月13日 更新

    情報収集が鍵! 転職を成功に導く「求人票」の見方

     求人票は、応募前に志望企業の労働条件を知ることができる大事な情報源である。ただし、「適切な見方」や「必ず確認しておきたいポイント」を知らなければ、正しい情報を掴むことはできない。そこで今回は「求人票の見方」について解説する。

    目次

    • 求人票チェックポイント① 「職種」の見方
    • 求人票チェックポイント② 「雇用形態」の見方
    • 求人票チェックポイント③ 「雇用期間」の見方
    • 求人票チェックポイント④ 「年間休日数」の見方
    • 求人票チェックポイント⑤ 「就業時間」の見方
    • 求人票チェックポイント⑥ 「時間外労働・休日労働」の見方
    • 求人票チェックポイント⑦ 「各種保険」の見方
    • 求人票チェックポイント⑧ 「賃金」の見方
    • 求人票チェックポイント⑨ 「交通費」の見方
    • 求人票チェックポイント⑩ 「選考方法」の見方

    求人票チェックポイント①:「職種」の見方

     求人票の「職種欄」には、「営業職」「事務職」「SE職」など、従事する仕事の内容を表した名称が記載されている。しかし、ここに記載される職種はあくまで肩書であり、企業によってその職種が担う役割が異なるということを念頭に置き読み進めたい。

    求人票チェックポイント②:「雇用形態」の見方

     求人票には、応募して採用された場合の雇用形態が記載されている。主な雇用形態には、「正社員」「契約社員」「派遣社員」「パート・アルバイト」などがある。

    求人票チェックポイント③「雇用期間」の見方

     正社員は「期間の定めのない雇用」であるため「常雇」と記載されている。契約社員などといった非正規雇用の場合、雇用期間が定めてある。

     この欄に「※入社後3カ月間は試用期間となります」といった記載がある場合、試用期間中の雇用形態や給与などの各種条件が実際と異なる場合があるため、面接などで詳細について確認するといいだろう。また、試用期間中の雇用形態が「有期雇用」の場合は契約が更新されないこともあるため、雇用契約を結ぶ際には正規職登用の可能性について聞いておくべきである。備考欄を確認するなどし、求人票から得た情報に誤認がないよう心がけたい。

    求人票チェックポイント④「年間休日数」の見方

      会社から与えられる休日数の年間合計数を指す。平均的な年間休日数は120日前後とされている。完全週休2日制の場合、週2日×52週で104日であり、これに祝日や年末年始の休みを加えるとおおよそ120日を越える計算となる。

      ちなみに、1年単位の変形労働時間制において、1日8時間労働する場合、最大の出勤日数は260日、休日は105日となる。そのため、1日8時間労働の環境で休日が105日以下の場合、労働時間数が多すぎる計算となる。それ以上の労働時間は時間外として計算されるため、時間外手当の支給がない場合は不払いが生じていることになる。

    求人票チェックポイント⑤:「就業時間」の見方

     年間休日の設定は労働環境を読み解く重要な要素になるため、しっかりと目を通したい。
    求人票の「就業時間」の欄を正しく読み解くには、労働時間に関する基本的な知識を持っておく必要がある。以下に、労働時間に関する解説を記載する。

    基本的な労働時間

     労働基準法では労働時間を1日8時間、週40時間以内としており、休憩時間に関しては、8時間以上働く場合は1時間以上、6時間以上働く場合は45分以上与えると定められている。「9時から18時(内1時間休憩)」などのように、具体的な就業時間が記載されている場合がほとんどである。「シフト制」や「要相談」など、曖昧な表記の場合は確認をするといいだろう。

    みなし労働時間制 

     みなし労働時間制には「事業場外みなし労働時間制」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」がある。

    ・事業外みなし労働時間制
      事業場外で労働において、実労働時間の算定が困難な場合は原則として「所定労働時間労働したもの」とみなす制度である。

    ・専門業務型裁量労働制
     デザイナー、研究者、システムエンジニアなど、業務進行の手段や時間配分などに関して使用者が具体的な指示をしない19の職務において、「労使協定で定めた労働時間数を働いたもの」とみなす制度である。

    ・企画業務型裁量労働制
     事業運営の企画・立案、調査・分析業務において、業務進行の手段や時間配分などに関して使用者が具体的な指示をしない場合、「労使委員会で定めた労働時間数を働いたもの」とみなす制度である。

    変形労働時間制

     変形労働時間制とは、1日8時間、週40時間と定められた労働時間の例外処置である。労使協定または就業規則等において定めることにより、一定期間を平均した際に1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲において、特定の日または週に法定労働時間を超えて労働させることができる。「変形労働時間制」には、「1週間単位」「1ヶ月単位」「1年単位」のものがある。

    フレックスタイム制

     フレックスタイム制は変形労働時間制の1つで、労使協定で定められた総労働時間の範囲内であれば、その日の始業時間や終業時間を労働者が自分で決めることができる制度である。しかし、「◯時から◯時は出勤していなければいけない」といった「コアタイム」が設定されている場合もあるため、確認が必要だ。

    求人票チェックポイント⑥「時間外労働・休日労働」の見方

    時間外労働

      労働時間は、労働基準法で原則1日8時間、週40時間までと定められている。この法定労働時間を超えて労働をさせた分は「時間外労働」にあたり、割増賃金の対象となる。求人票には「なし」「1日1時間程度」「月15時間程度」と記載されていることがあるが、実情とは異なる場合もあるため注意が必要である。

    休日労働

     労働基準法では、1週間に1回、もしくは4週間を通じて4日以上休日を付与することが定められている。この法定休日に労働させた場合は「休日労働」にあたり、割増賃金の対象となる。

    求人票チェックポイント⑦「各種保険」の見方

    雇用保険

     雇用保険とは、厚生労働省が保険者となっている保健事業であり、失業した際に一定の条件のもと失業給付が受けられる制度のことを指す。
     
      すべての事業所が法的に加入を義務付けられており、労働者が失業した際に再就職までの生活を安定させる役割を持っている。個人経営で従業員が4人以下の農林水産業を除き、全ての事業所で加入しなければならない強制保険である。

    社会保険

       社会保険は会社に勤務している正社員、または正社員の3/4以上労働する人が加入できる保険である。病気やケガの際、3割の医療費負担で医療機関の受診をすることができる。この制度が完備されていない場合、国民健康保険などに別途加入しなければいけないたえ注意が必要である。

    労災保険

     労災保険とは、労働者災害補償保険法に基づく制度で、業務上災害または通勤災害によって、「労働者が負傷した場合」「疾病にかかった場合」「障害が残った場合」「死亡した場合」等について、被災労働者またあその遺族に対して保険給付を行う制度である。

      個人経営の農業、水産業で労働者数5人未満の場合、個人経営の林業で労働者を常時使用しない場合を除き、全ての事業所が適用を受けることになっている。保険料は全額事業主負担とされおり、正社員のみならずパート、アルバイト等、賃金を支給される全ての人が支給対象となる。

    厚生年金保険

     厚生年金は会社と折半して支払う保険であり、「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」といった種類がある。

    ・老齢年金
     老後に受け取れる年金のことを指す。老齢年金は老齢基礎年金(国民年金部分)を基本とし、厚生年金加入者は報酬比例部分を受け取るとことができる。

    ・障害年金
     高度な障害を負ってしまった場合に給付される年金であり、障害を負った時に下記の給付が行われる。※平成24年4月
    障害等級1級:966,000円(年間)
    障害等級2級:772,800円(年間)

    ・遺族年金
     遺族基礎年金に加えて、死亡した世帯主のこれまでの厚生年金保険料に応じた年金額う受け取ることができる。条件を満たしていれば「中高年寡婦加算」などの形で遺族年金を受け取ることができ、その年金は遺族が老齢基礎年金を受け取れるようになるまで続く。

     農林漁業、サービス業などの場合を除き、従業員が常時5人以上いる個人の事業所が厚生年金保険の適用事業所となる。

     厚生年金保険に加入している適用事業所に常時使用される70歳未満の人は、厚生年金保険の被保険者となる。また、一般社員の所定労働時間および所定労働日数が4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす人は被保険者となる。

    「一般社員以外」の被保険者要件

    • ①週の所定労働時間が20時間以上あること
    • ②雇用期間が1年以上見込まれること
    • ③賃金の月額が8.8万円以上であること
    • ④学生でないこと
    • ⑤社会保険の現行基準が適用される労働者が501人以上の企業

    求人票チェックポイント⑧「賃金」の見方

     求人票にはさまざまな賃金制度が記載されている。賃金は転職における重要な要素のため、自分が志望する企業の賃金体系を理解することは必須である。

    月給/固定給制

     月給、固定給とは、毎月決まった額を支給される賃金制度のことを指し、基本給に各種手当を足した金額が提示されている。残業手当や皆勤手当など月によって変動するものは含まれない。 「月給」という記載がある場合でも、欠勤時の給与が引かれる「日給月給制」である可能性もあるため、不安な場合は確認しておくといいだろう。 

    日給月給制

      月単位で支給される金額が決まっているが、欠勤をした場合には一定の割合で給与が減額される賃金制度のことを指す。

    基本給

     基本給は各種手当や、歩合給のように業績に応じて支給される給与を除いた基本賃金のことを指す。役職手当や職務手当などが加算されることも多いため、月合計がいくらになるかに着目するべきである。
     
    例:基本給20万円(役職手当3万円、資格手当1万円)

    年棒制  

      年俸制とは、給与を年単位で計算する賃金制度を指す。年棒制であっても「時間給の算出をもとに残業代が計算される」ということを知っておくといいだろう。

    額面

     額面は、基本給に諸手当を含んだ金額のことを指す。手取りは、そこから各種保険料や税金などを差し引いて、実際に会社から支払われる金額である。差し引かれる金額は、およそ「額面」の20%ぐらいが目安とされるため、求人票を見る際は、「手取り」がいくらになるのかを確認しておくといいだろう。

    求人票チェックポイント⑨「交通費」の見方

     求人票で「交通費」の欄を見る場合、全額支給なのか、上限が定められているのかを確認しておくといいだろう。上限が設定されている場合、超過分は自己負担となるため注意が必要だ。

    求人票チェックポイント⑩「選考方法」の見方

     求人票の「選考方法」の欄には、採用人数や選考方法が記載されている。選考方法の欄には「面接は本社にて行う」といった場所の指定が記載されている場合もあるため、遠方からの応募する場合は事前にしっかりと確認しておく必要がある。選考期間に関する記載がない場合は担当者に連絡するなどし、自身のスケジュールとの兼ね合いを見るといいだろう。

    最後に

     冒頭でも伝えたが、求人票は志望企業の労働条件を把握する貴重な情報源である。「求人票で見るべきポイント」をしっかりとおさえ正しい情報収集をすることが、転職を成功させる鍵であるといえるだろう。